銀の波を渡る舟
昨日の日記に
「勢いは大事」と書いた
実は読後の勢いはやや静まったところだけれど
ひさびさにいい本を読んだので
感想を書いておこう
少し前には映画の話題が賑やかだったので
それも静まったところで読むのが私だなと思う
実に楽しい本だった
読みながら何度か
「あはっ」と
声を出して笑った
映画も人気には違いないだろうが
こういう物語こそ、字で(原作で)楽しむべきだ
辞書編纂なのになぜ「舟を編む」のだ?
と
当初タイトルに疑問を感じたことも
読み終える頃にはなんてふさわしい!と納得納得に変わった
言葉を大事に思う(する)
言葉の大切さが身にしみる
拙かろうが
言語化能力が低かろうが
(以下、作中より引用 登場人物・岸辺の思いより)
「言葉の持つ力。
傷つけるためではなく
だれかを守り、だれかに伝え、
だれかとつながりあうための力」
そうなんだよ!
登場人物達は
頑固さはあっても言葉の自由は認め
その上での強さと愛をもって言葉に向き合っている
最後の四分の一くらいは
恥ずかしいが涙で目がかすんで読むのがたいへん・・・
↑
記憶とは言葉
曖昧なまま眠っていたものを言語化する、というところで
がーーん!と打たれた気がした
※読んでいる間ずっと主役の馬締を演じたという男優が
ちらちらしたが・・・
この際それは許してしまおう