ANAK

エピソード1

 

知人のNさんのお母様が亡くなった

ご高齢だったし

彼女(Nさん)もすいぶん世話をされた

家族とごく近親者だけのこじんまりとしたいいお葬式だった

 

ひととおりの片付けが終わったころ会って

「お疲れ様だったねえ」などと話をした

その時彼女は

「ね、息子、見てくれた?」

 

え?

 

葬儀に参列していた自分の(まあいわば自慢のイケメンの)息子を

見てくれたかなっ♡

 

だと・・・

「・・・あっ 見たよーでもマスクだったしなあー惜しかったなあ」

「ああ、そっかー」←ものすごーく残念そうだった

 

 

エピソード2

 

仕事中 有線で或る曲が流れた

同じフロアで働くМさんが言った

「あーこの曲大好きなんや!」

 

へー、なんでまた?

「これはな、高橋ヨシノブのテーマ曲なんやで!」

へー、詳しいねえ

Мさんてジャイアンツファンかあ・・

ヨシノブファンだったとは知らんかったわあ

 

「いや、ウチの息子に似てるから♡」

 

あ・・・そーですか・・・

 

 

エピソード3

 

同業者のUさん

 

息子さんご夫婦とお孫さんとは

離れて暮らしている

時々連休をとっては

掃除や料理を完璧にやって

彼らご一行をいそいそと迎えていらっしゃる

 

「だいたいね、

みなさん孫がかわいいとおっしゃるけれど

わたしはそうは思わない

だって

息子のほうがずっとかわいいもの」

 

彼女はこの息子さんがスーツを買うとき

デパートに同行し

試着室から出てきた姿を見て

「カ~~~~ッコイイ~~~~♡」

と叫んだそうである

 

はあ・・・

 

どの人もわたしより年上で

つまりは彼女らのその息子とは

30~40歳なんですが