或る告知

ここ数年

身近にいた歳の近いものたちが

何人かこの世からいなくなった

 

しばらく会っていなかったものもいれば

そうでもないものもいた

 

「悪性なんだって」

ひとづてに聞いてはいても

直接本人とそれについて話すことはなかった

つまりは

知って知らんふりをしながらつきあう

 

 

この度初めて

がん告知を受けた友だちから

その事実を直接に告げられた

 

先日一時退院だというので

とにかく顔を見たいと無理を言って会いに行った

「よお」

そういってわたしを迎えた彼はいい顔をしていた

わたしも思わず正直に

「いやあ、メッチャ男前になってるやん」

「え?前からやけど」

そんな感じでお互い笑った

 

とにかく交友関係が広い人間なので

わたしと会っている間にも

何人からか病状を尋ねる電話がかかる

 

「辛いとかいわれるとこっちも辛いし・・・

まだ(今後助かる)可能性はゼロやないんやから

うん、ゴルフも行くで」

そんなふうに答えているのが聞こえた

 

手術は出来ないということで

延命治療の方向だ

 

医療関係の仕事をしている彼は

悪性だと知ったときも

「ああそうか」

うろたえたり落ち込んだりはなかったという

自分で自分の片づけをきちんとできる男だから

そういう意味ではわたしも心配はしていない

 

高校時代は話をしたこともなかったが(同級生だ)

ここ数年は

おとなどうしのさっぱりした付き合いをしてきた

特にわたしが苦しい時期には

うるさくいうこともなく

一緒に夜遊びをしてくれた

どれほど彼に救われたか

感謝にたえない・・・・

 

いつ会えるかな