すっぽん鍋4人会

 

 

宴会幹事(企画)はナカダイくん。わたしが彼にあの世から呼んでほしいとお願いしたのはあのおふたり。
「約束さえ守れるなら夢を実現させますよ」
まるで日本映画専門チャンネルそのままの(?)昭和豪華絢爛宴席にわたしは冷静でいられるのか?

 

 

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今日は特別な日だ。

題して 『すっぽん鍋を食べる会』

 

幹事はナカダイくん、
参加メンバーはカツくんとミフネくん、
そしてこのわたしヤナガワ(仮)

カツくん、ミフネくんのふたりはあの世からの参加者。
銀幕のなかではそれぞれ今でもしょっちゅう会っているけれど
四人で食事なんてもちろん初めてのこと。

 

 

◇ 

 

 

「そんなことが出来るんですか?!」


顔見知りとのありふれた呑み会や宴会続き。
そして変わり映えのしない会場で
ワイドショウ的な男女のうわさ話に飽き飽きしていたわたしは
なにか刺激的で愉快なことを求めていた。

ナカダイくんはそういった人間とはちょっと違って
数少ない貴重な男友達だ。

そして
会いたいひと恋しいひと話を聞きたいひとは
すでにこの世にいない、とぼやくわたしに
“どんな”ひととでも会える
そんなスペシャル企画が可能だっていうことを
こっそり教えてくれたのだ。


「ええ、出来ますとも。
それにはあなたの熱い思いと
このわたくしの眼技(ガンギ)さえあればね」

眼技・・・
それは知る人ぞ知る
彼の得意技。


一も二もあったもんじゃない。
ぜひぜひ実現させてください、とわたしはお願いした。
熱い思いだけは誰にも負けません。


そうですかそれはよかった。
ただし、約束といいますか、
守っていただきたいことがいくつかありましてね。
ナカダイくんは続けて語った。

 

(つづく)