悲しいほどお天気

現代には波はなく

 

大小の河が流れている

 

その水を使いたくないものは

 

自分で井戸を掘らねばならない

 

俺も井戸掘りのひとりだ

 

 

・・・・・・・

 

暑い日だった

久しぶりに出かけた美術館の企画展示は

わたしの好みとは違っていたが

それでも

なにかしら得るものはある

 

上の文章は

展示されていた画家が

姉にあてた書簡の中の一文

印象的だったのでその場で残しておいた

 

数知れない絵描きのなかで

誰もが知っていたり

一度は作品をみたことはある、というようなのは

ほんの一握り

 

不遇だったり

存命中にはまったく世に知られず

終わってしまった画家のなんと多いことか

たとえ画家の名前が知られても

ほとんど日の目を見ない作品はもっとあるわけで

 

実際

今日みてきてわたしが一番すきだなあと思ったものは

検索しても出てこない

前回見たユトリロだって

「ああ、この絵を自分のものにしたい」と感じた作品は

探したってもう見られない

 

 

まさに一期一会

 

それもまた美術館で本物をみるという醍醐味なんだなあと思う