悉皆屋

叔母から譲り受けた結城紬

八掛が例によって(そういう時代だったから)赤茶なので

親しい呉服屋さんにお願いし、悉皆屋(しっかいや)さんに出して

地味な色に替えてもらうことにした

色はグレイ

ちらりと見えるこの色が大事なんだよね

裄も短いので直してもらう

出来上がりが楽しみだわー♪

 

 

その呉服屋さん(Mさん)の夫は

まだ若いのに認知症が激しく進み、施設に入所している

彼女いわく

「一緒に暮らしているときは腹立たしいことがいっぱいだったけれど

今となってはもう忘れかけていてね・・・

 

私、その当時はそんなことをずっと日記につけていたんですよ

日記に書くと少しは気持ちが晴れたから

で、今読み返してみて

『いやいや、やっぱり腹が立つ!』と思ったわ」

とケラケラ笑っておられた

 

私よりは10ほど年上なので

非公開ブログとかそういうものでなく

ホントの日記帳なんだろう

気持ちを文字にして自分の外に出すと

すこしはおさまる心の不思議

 

大いに共感

 

 

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言いたいことは口に出せといわれても

即座に出せないときは出せない

 

心から口にのぼる、その途中が

私の場合とっても長い

長いので霧散するし

迂回してどこかに行ったり

 

だからこんなふうに文字に残して生きている