三日サボれば

そんな題の短歌を

昼のラジオできいた

 

日記を三日サボれば

“何か”が三日分たまる

てな感じの意味合いの歌

 

家計簿も然り

割合意味深

 

閑話休題

 

あちこちで梅便り

以前住んでいた町のそばには月ヶ瀬という美しい名前の名所があって

今は亡き友とも訪れた

 

それ以前にその地で書いた日記を掘り起こしたので

貼っておこう

2003年の私である

 

 

 

天井桟敷 そこは月ヶ瀬』

 

 

そこは天井桟敷だった
腰をおろして
まっすぐ前を見ていたのでは
向かいの山が見えるだけ

だからね
ブラボー!と立ち上がって
身を乗り出すと
直下には深淵のミドリ
山奥でこのような色あいの水を見る不思議

流れていないのか水よ
動かなくていいのか水よ
両脇から迫る山は
面白いことに平和で野暮ったく
近寄りがたさも
険しさもなし

金満のじいさまに囲われて
暮らしに窮するでもなく
かといって磨きをかけるでもなく
適当にやっている妾の怠惰さにも思える

それでも
二階席奥の上段には違いはなく
物見遊山の客は来る

その名のとおり
ぽっかりと浮かぶ月があればこその
天井桟敷

ねえねえ今度は夜にねとせがむ私に
ええ?まだ寒いよと
電話口でもはや尻込みする男がひとり