一年経った - 銀色手帳

あえて振り返ってみる
一年前の今日の夕刻
「明日は河川敷でオフ会だ〜〜その後カラオケだ〜〜〜」

土曜日早めの入浴と夕食、上機嫌で私はワインを飲んで
明日に向けて鼻唄を歌ってPCに向かっていた

その時同僚のNくんから電話
「警察から電話来たんです。シャチョーが事故ってヤバイらしいっす」

私にもその後警察から連絡が来た
意識はない、それだけ言われた

混乱するまま近しい人に電話連絡
飲んでいた私はタクシーを呼び
T市に向かう

何が何だかわからないまま
窓にもたれていた
途中で
「亡くなったそうです」と電話
返事が出来ない
「大丈夫ですか？聞いてますか？」
と言われても

病院の一番奥にある
寂しい場所に案内された

かつて家族であった人が拒否したので
ビニール袋に入れられたシャチョーの衣類を私が受け取る
血を吸ってるそれの重みを抱き
身体の震えが止まらない
なんで？なんでこんなことに？

これから始まる事務的な作業手順
冷淡極まりないささやきの応酬を遠くに聞き
コンクリートの通路に座っているだけの私

キレイにして戻ってきたので会ってくださいといわれ
小さな部屋にはいると
今朝事務所で別れたシャチョーがいた
手も足もみんな揃ってて良かったと思った
どこもやけに黄色く見えて
触ってみると冷たかったけど
苦しまなかったらしいけど
一瞬どんな思いが去来したのか

「もうちょっと仕事してから出るから」
「はい、それじゃあ」
それが最後の言葉になってしまった

一年経った

あの時
メールや電話、コメントくれたみんな
ほんとうにありがとう