“久しぶり”のひとたちと
お酒を呑んで
大好きな映画の話を聞き
笑顔を見ているのはほんとうに幸せだ
すでに酔いも回っているわたしが
決まり事をはずさないかは
冷静な幹事のナカダイくんがしっかりその眼技をもって制している

なので安心して時間を過ごすことが出来るのだ

おい、ヤナガワ
お前さっきから豆腐と野菜しか食ってないだろ
すっぽんいけよすっぽんを!

調子よくなってるカツくんが言う。

う・・・
実は困ってたのだ。
カニやカキさえ苦手なわたし、出汁はまあいいとして
すっぽん自体食べられるのだろうか。

 

 

ふと、今日の食事をすっぽん鍋にしたナカダイくんの意図を思う。

四人で囲む鍋料理希望とはわたし、言ったけれど
すき焼き、しゃぶしゃぶ、ふぐ、カニすき、数々ある中で
なぜすっぽんだったのか。

いや、このメンバーではやはりすっぽん鍋以外になかっただろう。

もしも、カツくんミフネくんだけだったとしたら
それはまるでとんかつをすき焼きに投げ込むようなもの。
このおふたりはどうしたって

今日のわたしにとってすっぽんだ。
そして控えているナカダイくんは薬味でありポン酢なのだ。


あらためて幹事の妙に感心し感謝した。

 

 

(つづく)