メモリースティックより抜粋

「会いたくて会いたくて
なかなか会えなくて
やっと会える日がやって来た

待ち合わせ場所でわたしは立っている

やがて彼の車がやってきて慌てて乗り込む

ドアを閉めてきちんと座りなおしてバッグなんかを置いて
彼の顔を見ようとした・・・」


「ふむふむ」

 

「わたしときたら胸がいっぱいで
もう泣きそうなくらい熱くなってて
会いたかった愛しい彼はすぐ右隣にいる」

 

「それで?」

 

「彼の目を見た」

 

「ほほう」

 

「『・・やっと会えたね』とわたし」

 

「うん・・・」

 

「彼はどうしたと思う?」

 

「熱いキスを?」

 

「彼は言ったわ、『おい、シートベルト!』」

 

「・・・・ひどい」

 

「でしょ?!やっぱりそう思う?」

 

 

 

彼女の話を聞きながら
わたしの頭の中にはなぜか
松田聖子の「赤いスイートピー」が流れ始めた


彼のような不用意な言葉では
確かにガッカリさせられるけど
無言のしぐさでもけっこう悲しくなることあるんです
動揺してないような顔をしていても
その実、泣きそうになっている時


赤いスイートピー」ときいて
どんなしぐさかピンと来た人

あなたはかなりの松本隆崇拝者かも