ともだち

『私にはこんな友人もいる』 2002年5月23日


知人と食事をした
初めてのことだ
彼女と私との関係はある店の一店員と客という ただそれだけ
店を訪れた時に言葉を交わす程度
それでもなぜかお互いに何かを感じて
もっとこの人と話をしなくては、とかねてから思っていた
そういうことってある


同性であったので、こんなふうにおおっぴらに書けるけれど
男と女であったとしたらはたしてどのような展開になっていたか むむ〜
残念至極


事情があって彼女はその店をやめることになり
それをきっかけに食事をする約束をした
もう店員⇔客という関係もなくなったのだから


私より三歳若い彼女の半生はハランバンジョー
正直なところ私は
(きっと期待は裏切られないだろう  日記のネタになるにちがいない)
という下心もおおいにあった
しかし・・・・


二人きりで会ってじっくり話をしてみるととてもネタには出来ない
あまりにも凄すぎてかえってリアリティがないのだ



別れ際に彼女は言った
「小説よりおもしろいでしょう?」
そして
「人数が足りないんだけどどうですか?」
と私を誘う



「彼(内縁の夫)が女の人がもう少し欲しいって言ってるんですよ〜
SMの調教ショーを部屋借りてやるんで観る人集めてほしいって
そういうのは?
ハイヒール舐めて女王さまに? ううん、男がSの方です、って〜
ほら〜知ってるんじゃないですか、あははっ」



丁重にお断りした
知人は友人となったが
こういう人には家田荘子さんのような方が
インタビューするべきだね






『ある日のメール』 2002年5月16日


どうしていますか?

連休は会えなくてごめんね
結局気持ちの持って行き場がなくて
あなたにこうして愚痴ることになりました

なんというのか
すっごく不安定でね
あなたに大見得切ったけど
初志貫徹出来るか、
一日に何度も不安になります

おかしいね、私たちって
どうしていつも同じようなことやってるのかな


>私の行けないところへ行こうとしているあなたを
>ある種畏怖のような気持ちと、ずるいけれど、自分を重ねて
>応援しているような、複雑な気持ちです


応援してくれるの?
それに、ちっともずるくなんかない
あなたのほうが柔軟で、本当は強いんだ
私はいつかポキッて折れてしまうかも

お互い「good job!」って
祝杯をあげる日はいつ来るんだろう
近いうちにぜひ会いたいね

じゃあ また






『ココロをやすめる飲み物』  2002年2月9日



ついさっきまで長話をしていた友達が
私の名前を呼びながら玄関の戸を開ける
どうしたの、今別れたばっかりなのに

彼女の手には茶色い四角の缶
うん、これを飲ませたいと思ってね・・・・
それはココアの缶
わざわざありがと、と受け取った



『一流ホテルでは夜ベッドサイドにチョコレートを置く習慣があるように
同じカカオ豆から出来るココアも安らかな眠りを誘う飲み物です』


ココロをやすめる飲み物、とその缶には書いてある



話をしながらも
あなたのような人には多分私のことはわからない
純粋で、素直で、欠けたものなどないあなたには、と
心の片隅で思っていたよ

あなたはまさに甘いココア
飲む人を暖かくして、気持ちを安らかにする
そして私は苦い苦いコーヒーだよ


消え入りたいような自分が溶けきれず
カップの底に残った