性分


『それが私という女』2002年4月11日


甘えられない

いいよ、自分でやるから
いつもそういってしまう

頼んで断られたり
嫌な顔をされたり
文句のひとつふたつ言われたり

そんな仕打ちに慣れてしまった

だから
いまさらやさしい言葉をかけられたって
すっかり疑り深くなった私は
信じることが出来ない
甘えることも出来ない
お願いがあるんだけどとも
言えなくて
いや、言いたくなくて

常識で考えたら
とてもとても
内緒にしておくようなことじゃない
そんなことさえ話せなくて
きっと、後になってまた
怒らせてしまうんだ
いったいおまえは
何を考えてるんだって

可愛くない女
甘えられない女
疑り深くて意地っ張りで
頑固で言い出したら聞かなくて
泣かないと話せない
それが私





『弱点』 2002年4月24日



「あまり真剣に聞くな」
「人のいうことを深く考えすぎるな」

そう言われた

いったいどうしろと言うのだろうか
あなたならどうしますか?
みんなに訊ねて歩きたくなってしまった

「軽く聞き流せ
相手は深く考えないで言っているのだから」

私はそっちのほうが怖い
深く考えずに言葉を発する人間
その言葉を真剣に受け止めずに聞き流す人間

一緒にはやっていけないと思った
ここに私の弱さがある
これは
隠せないし治せない
補強も難しい
生まれ持ったもの、
そして抱えて生きてきたもの

そしてもうひとつ
プライドの高さ
私にも誇りというものがある
それを汚したり傷つけられることも
我慢ならない

昨日はそんなことを再認識した私
どうも近頃は
自分の内面に向かって問いかけることが多くなっている







『根っこ』 2002年12月8日



いろんなものがせめぎ合うとき
いったい何が、どれが、真実なのか
私って何がしたいのか
ほんとの自分ってどれなのか、と
青臭いことを思ったりする

私自身のすべてを
さらけ出せる相手なんていないし
さらけ出してみせたところで
何になるというのだろう

「何を考えているのかわからない」といわれたなら
「何も考えていない」と答えればいい
そういった人もいた



おまえの書く文章は
どうしてそんなに暗いのかと尋ねられ
人間の根っこのところが暗いので、と即座に返事ができた
我ながら驚いてしまった



そうだそうだ
青葉の頃があったり
つぼみであったり花開いたり
見える部分はうつろっても
所詮根っこがね


そんな今日
ネットで出会い自殺の記事を読む

まだ私はこれでもこの世にいたい
でも
死にたいと思う人の気持ちがわからないことはない
「わからないことはない」だなんてなんといやらしい言い回し
「わかる」と言えばいいじゃないかと自分の背中を叩く


一人で逝くのは悲しかったか
さみしかったか
思いとどまらせるほどのものがなかったなら
ふたりにとっての「この世」は
それまでだ
しかたないさ


曇った窓ガラスの中で
混沌とした日曜日の私