そばに誰かいないと

宴の後の寂しさを
久しぶりに味わう夜


街の灯りちらちら


河川敷から立ちのぼる
夏のなごりの花火の煙は
高架を行き交う車に覆い被さり消えていく


「あんな気持ちもあったよね」
「それは知っていたよ」
「でもしかたがなかったと思うな」


受け止めてもらえなかった気持ちは
今夜の花火の煙のようにもうどこかへ行った
ちりちり痛む胸の傷も
笑っていれば誰も気がつかないさ