御幸通りすずらん通り肩を寄せて

ハロワの帰りに
駅近辺を歩いてみた
学校帰りに待ち合わせしたり
時間つぶしに使ってた書店はもうなくなっていた


他にも同じような店がいくつか
(今日はそこまで行かなかった)

地方の城下町のメイン商店街は
駅から城に近づくにつれ
人気が少なくなるけれど
おもしろい(ちょっと入りにくい)店があって
脇道にはいるとなおのことそれは強まるので
気の合う少数の友だちと
今でいう“お気に入り登録”する楽しみがあった


薄暗いジャズ喫茶だったり
大人びた専門店だったり

そしてもう少し時が経つと
神戸へと足は向かうのだった


あのころは
お酒を飲むこともなく
カラオケに行くこともなく
お小遣いもさほどなく
だけど
「もっと何かが出来る」
「もっとおもしろいことがある」
そんな当てもない期待があって
ボーイフレンドといろんな夢を見ていた


健康で居ることがありがたいなんて
もちろん考えもしない


背伸びしていたに違いない
十代後半の私が甘く酸っぱいね