「ある日のことでございます」

わたしはすでにお布団に潜り込んでいた 枕の横に置いたスマホに着信あり 未登録の番号からの電話には出ないことにしている しかし その夜は 出た 「・・・X(仮)さんですか?」 三重県の小さな城下町に住んでいた頃のお話 X、それは10年ほど前一時的に使…

コーハク覚書2019

芸能情報や 若いタレントさん情報に疎く かなり遅れを取ってそれを知る コーハクはそんなまとめであるとともに ウタ雑感 なので感想だけは書いておく まず感じたのはアラシの安定感だ 司会のSはもちろん ここまで国民的(世界的か?)に愛されて地位を築い…

大掃除の産物

①クローゼット内のショッパー(服屋の紙袋類)を片付けていたら 一枚の千円札がぱらりと落ちた えー? 「やったー!」と思えないほど 最近のわたしは実は落ちている・下がっている ②プリンターまわりの紙や郵便物や 保証書やなんやかやを片付けていたら A4…

都会(まち)にはびこる哀れなアンドロイド

SF映画は苦手なジャンル あの『ブレードランナー』の続編を録画していたので 観念して鑑賞 もともとの作品(前作)も何度か見ようとはしても 過去、途中で止めてしまった 苦手意識の強さと画面の暗さで眠りに誘われてしまった ファンからするとなんて奴だ…

わたしのわがまま

母の使いで 隣町のT市へ 小京都などという言葉はつまんないし 京都にもこの町にも失礼じゃないかと思うが まあ、そんなふうに言われる町だ 飛騨高山や 金沢のような華やかな観光地ではない 田舎でひっそりな老後ぽい しーんとしたひと気のないところが好き …

そして

12月が来た 寒さはわたしの期待を裏切り ぴーんと張り詰める あの厳しい気持ちよさはなく 一応、しっかりしたコートを着て出かけはしたが 何となく物足りないままだ 神戸を歩いた 所用をすませ 友達との待ち合わせ時間まで 三宮元町間をぶらぶら歩く まだに…

尽きせぬ波

同窓会の二次会で 『能古島の片思い』を歌った とても好きな曲でもあり 好きなひとが 「おまえの歌うこれが好き」と いつかわたしの頭をなでてくれたことがあったから アルバム・氷の世界がバカ売れする前の曲だ 歌った後で数人がやってきて 「センチメンタ…

ヒトノカオ

まあ昔から 顔つきというものには関心がある 顔だちより顔つき 若くて美しく 世間一般でいう整ったものには まったく面白いと思えないし わたしは興味が持てない 最近 テレビでその顔がアップで映ったときに つい目を向けてしまう じっと見てしまうひとがい…

或る告知

ここ数年 身近にいた歳の近いものたちが 何人かこの世からいなくなった しばらく会っていなかったものもいれば そうでもないものもいた 「悪性なんだって」 ひとづてに聞いてはいても 直接本人とそれについて話すことはなかった つまりは 知って知らんふりを…

つゆのあとさき

市美術館へ バルセロナ展だ 「バルセロナ そのあとの住所も知らず 辿った坂の町は輝く蜘蛛の巣」 ユーミン “地中海の感傷”より スペインになどもちろん行ったことはない (志摩スペイン村ならある) パリに比べると イマイチ弱い気がするバルセロナだったが …

なんとなくなんとなく

相変わらずで 何の知識ももたずにとりあえず 夜の時間を潰すための 映画チャンネル適当に録画 その中から 某洋画 男が二人 広い荒野のようなところで 牛の群れを眺めている 男1 「あの牛たちには名前があるのかい?」 男2 「たいていは“後悔”という名だ ひ…

虫の命は火に捨てよ

4日は虫の日だったらしい・・・ そのせいだかどうだか 有線でめずらしく『カブトムシ』が流れているのを耳にした しょーうが⤴ィーーーー わーすれる⤴ゥーーーー ことはないでーしょーぉーーーーー とまあ、このあたりしか印象には残っていない曲だったが 昔…

時には・・・

「時には 浮ついた話をしようか」 (加藤登紀子ふう) いつもいつもうっとおしい日記ばかり書いているので たまにはいいだろう ・・・・・・・・・・・・・ 今日 上司がうちの店にやってきた 上司と言っても直属の、ではなくて わたしのいる部門のトップにい…

いまさら

溢れる情報 行きかう人々の思い 例えば 女たちが昔なら井戸端会議で語って(ぼやいて)いたような ことも 現代ではSNSにのせてながれる そりゃあ それで同感を集めて留飲を下げ気がすみ ストレスの発散につなげることだってあるだろう 日々の楽しみになるこ…

う、に濁点

少し前 「ヴ」という表記をやめるとかやめないとか そういう記事を読んだ 自分がどのように ブとヴを使い分けているか考えてみる 当然「V」の時は「ヴ」かと思いきや そうでもないことに気が付く だっていちいち ラヴなんて書かないし バレンタインであって…

ミス

昨夜のこと 友だち(女)からメール (実際はLINEだけれど面倒なので、メールとする) 最近とある集まりに関して なんどかやり取りがあったので 特に不思議でもなかった が 内容がどうも変だ ああ これは宛先を間違えたなと気が付いたので その旨返信してお…

昭和の事件ファイル

先週は市議選 高校時代の同級生が立候補しているので 数日手伝いをした 選挙事務所はちょっとした同窓会会場のようだった 昔の話をすると 「よくそんなことを覚えているなあ」と 感心される もうひとり 選挙の世話役をしている幼馴染のМくんもわたしと同類だ…

黒ビール

少し前に 英国テレビドラマのことを書いた はまるきっかけは それ以前に放映されていたこっちのドラマだった 刑事モース オックスフォード事件簿 今また流れているので 最初から見直している 主人公のモースは 線が細くて見ていても心配になるほど 時代は1…

さくら寿司に蓮根

※今週のお題「桜」 『さくら寿司に蓮根』 窓の外には春の日差しが満ち溢れ近所で始まった、家を新築する大工仕事の威勢のいい音が聞こえてきます植物の色はといえば黄と緑にほぼ統一されているし真新しい制服姿の学生が自転車をこぎ裏道を走り買い物に出かけ…

桜話2

『枝垂桜と項垂桜』 わたしはいったいどこへ行こうとしているのでしょう ◇ 大きな枝垂桜の下に立ってたずねてみましたもちろん木は答えてくれる筈もありませんああやっぱり、とわたしもその枝のように項垂れてしまうのです この半年あまりというもの自分の気…

桜話

桜 その樹には 女よりも男のほうが似合うと思う 『古木(こぼく)のようなひと』 これ、 一応は内緒の話ですよ 吉野は同じバレー部の薄墨先輩のことが好きだったんですええそうです、先輩は男です知りませんか?この話同級生の間では有名な話なんですけど ◇ …

ジェーン

毎日流れているテレビ番組はほぼ見ない ドラマも 最近夢中になっているのは 映画チャンネルでの英国ドラマ 主演はヘレン・ミレン 刑事ものだ 『第一容疑者』 ほとんど全編を見終えて さみしくなっている 何年続いていたのか知らないが 後半では主人公のジェ…

リア充

スポーツ関係の大きなニュースが続く それなのに ビデオ撮るばかりで 引退会見含め チラチラとしか見ていないし なにより 大阪場所すら ちゃんと見たのはたった一日というありさま (もちろん結果はチェックしている) 鬱々と過ごした1月2月 3月に入って…

社員食堂

お昼のお弁当を食べるのは 社員食堂だ 食堂と言っても 別に食券を買って注文するという類のものではなく それぞれお弁当や 食品フロアで購入したものを持ち込んで レンジで温めたり ポットのお湯を使ったりして食べている なぜだか 座る位置や 一緒に座るメ…

夢のような宴席はそんなこんなで瞬く間に過ぎてゆきお開きとなる。店の戸を開け外に出ると温もった頬に冬の空気が心地よい。寒いだろ?おれのを掛けてけよ、とミフネくんがわたしの襟元に深紫のマフラーを。すっぽりうもった鼻先にタバコとさっきまでの鍋の…

さあすっぽんだ。ここで食べないわけにはいかない。カツくんは器にすっぽんを取り分けている。ヤナガワおまえ、最近やせ過ぎだ。昔はもっと肉付き良かったよな?まーたろくでもない男とややこしいことになって恋やつれしてるんじゃないのかあ?いかんいかん…

“久しぶり”のひとたちとお酒を呑んで大好きな映画の話を聞き笑顔を見ているのはほんとうに幸せだすでに酔いも回っているわたしが決まり事をはずさないかは冷静な幹事のナカダイくんがしっかりその眼技をもって制しているなので安心して時間を過ごすことが出…

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お銚子が運ばれ、宴が始まった。わたしとミフネくんは瓶ビール。もちろん黒地に星がついてるアレ。おい、こうやって四人でこの店、とは何年ぶりかな?昔を思い出すな。とミフネくんが話し始める。もちろん初めてのことだけど・・そんなことは関係なし。鍋の…

ほんとうにこんなことがあるのか?からかわれたのか?いやいや、ナカダイくんはそんな手合いの人間じゃない。指定された日が近づくにつれ落ち着けわたし、と三つの決まり事を唱え続けその気になっていく。一度も(実物に)会ったことはなくとも、そして“あの…

決めごとは・・・①“どんな”ひとに会っても普段どおりに振る舞うべし。旧知の間柄のような顔をして。向こうもそう振る舞うことになっている。そういった環境設定が必須ですから。つまり、びっくりしたり感激しても顔に出したりうれしさのあまり涙ぐんだりそう…