薄い色素
昨夜
ディアハンター鑑賞
男友達のお話は数々あれど
これもまたいい話
(いい、と言っていいのかどうかは・・)
美しいニック(クリストファー・ウォーケン)をみていて
うちの店の顧客であるIさんを思った
似ているのだ
Iさんは60歳過ぎの女性
とても美しい
目が大きいとか鼻が高いとか
色っぽいとか
お金をかけてとびきり着飾っているとかそういうんじゃなくて
なんというか
色素が薄く儚げできゃしゃでおっとりとしている
今でも、いや、今だから美しいのかも
スタッフは口をそろえて
「若かったころはさぞモテただろう」
「若いころの写真を見てみたい!」などと言ってるけれど
わたしはいまの彼女をとても美しいと思う
お客様はだいたいそういった年代の女性が主で
いろんな女性を見ていて思うことは多い
わたしが「ああ、いいなあ、きれいだなあ」と感じる共通点は
ガツガツしていないということ
「どうだ!」とエラぶらないこと
・・・かな
お洋服を買いに来るひとたちなので
もちろんおしゃれに意識が高く貪欲なひとも多い
そういった点で魅力的なお客さまはいるが
「美しい」と感じることとはまた別
この両面をクリアするってことは
かなり高難度
しかしこれまた行き過ぎ・出来過ぎると
どーかなー、、、、、みたいに思える
なんてことを考えながら
仕事に励むのも醍醐味ではあるね
川は淀み、また流れる
後味よくない映画の中に入れてよい作品なのに
繰り返しみたくなる
それのひとつがミスティックリバー
三人の少年と
彼らが大人になりそれぞれ家庭をもってからの
複雑で悲しい誤解やかかわり方が描かれているが
単純な事故事件殺人ストーリーではなくて
そのバックにある三人の妻たちの姿が
味わいのあるものにしている
①夫はムショ帰り、亡き前妻の娘とも同居している妻
②子ども時代に性的虐待をうけた夫の苦しみが理解できず困惑する自信のない妻
③大卒の刑事である夫との暮らしに疲れ家を出て、夫に無言電話をかけ続ける妻
どの妻も夫を愛している
女の(妻の)揺るがない自信とは
いったいなんだろう
ジミーの妻①は
夫が罪を犯したと知っていても
「あなたは王様よ」と
デイブの妻②は自信のなさから生まれた誤解と後ろめたさゆえに
なにかと視線を合わせられないありさま
「わたしがこの世で一番夫を愛し理解できている」
よその女に気持ちを向けていても
たとえ人殺しをしようとも
夫を愛し続ける妻が一番美しく強いのか
三人の男の物語の終盤はつらく悲しい
そこへもって
この妻たちの姿が被さり
ズーンと来る
ああ、
なんでこんなしんどい映画が好きなんだろうね・・・・
プカプカ
オレのあン娘はタバコが好きで
いつもプカプカプカ
(中略)
遠い空から降ってくるっていう
幸せってやつが
あたいにわかるまで
あたい
タバコやめないわ
プカプカプカ・・・
オレとおまえのテーマ曲と誰かさんが言った5月の夜
さて先日から久しぶりに部屋の片づけをしている
一人の部屋はたいして散らからないけれど
押し入れや棚の奥には
触れたくないものが押し込めてあったようだ
大声で叫んだりメガトン級のため息をつきながら(これは喩え)
ゴミ袋に放り込む
インテリア(というほどでもない)小物も
植物も入れ替えてみた
まだ当分続けるつもり
掃除をしたら
いいことがあった
これが風水ってやつなのかな?
白いカーネーション
お花の中では
いちばん好きな花
・・・・
とは
古い陽水の曲
今日
ご近所の男性の通夜があり
母が行ってきたのでその様子を聞いた
無宗教のお別れの式である
参列者ひとりひとりが白いカーネーションを献花し
親しい友人の一人が例の“千の風・・・”を歌ったそうで
お坊さんもお経も焼香もなし
そういうのもいいな
千の風はいらないけれど
親しい誰かがわたしのすきだった歌をうたってくれる
そんなのっていいなあ
ただ、一曲じゃ済まないとは思う
子どもたちから一曲
仲良くしていたいくつかの仲間(グループ)から一曲づつ
わたしに対する思い・イメージを
歌にして贈って・送ってくれたら
どんなにかうれしいだろう
そのときわたしは
「なんでその曲なんだよー!」と
笑って言い返せないから
それだけが悔しいだろうけどね
貸金庫に雇われた男たち
長く重い映画をみた
内容もさることながら
三時間近い長さにくじけそうになったが・・・・
日々の暮らしにピーピー言って
恋愛もどきに心悩ませる自分に叱咤の意味もあり
しかしこのような映画をみたせいかどうか
なんだか嫌な夢も見てしまった
ああしんどかったな
救いは
作中何度もあるシーン
それは主人公の作る料理だ
自分のミッションとはかけ離れ
美しく手際よく
暗殺チームのメンバーに振る舞う
「なぜお前がリーダーなんだ?」
「料理が上手いからだろう」
と茶化される
料理に興味のないわたしでさえ
「ちょっと取り分けてほしい」と言いたくなった
キャストのチェックはしていなかった
途中で主要メンバーの一人が
「あれ?D・クレイグに似てるけど」
と思っていたら
やっぱりそうだった
今の彼より顔も身体もムッチリして泥臭いものの
あのブルーの目と横顔の鼻の形で気が付いた
祖国とか民族とか
日常思うこともない言葉が飛び交う
つくづく日本は
そしてここで日記など書いてぼやくわたしは
平和どっぷりなんだと実感した